淡い黄色の花、芸術的な作りですねえ。 スタンホペアの特徴は、必ず下向きに咲き、蕊柱と唇弁が向かい合っていることです。 この花は、寄ってきた虫に花粉を背負わせて逃がすという仕掛けを作っています。 この唇弁は、三つの部分に分けられるのですね。基部のところにある袋状のヒポキル、角状突起のあるメソキル、そして先端のエピキルと分かれます。 ヒポキルからは、ポリネータ(送粉者)のシタバチ類の雄だけを誘引する芳香物質を出します。 この芳香物質は、スタンホペアの種によって違い、呼び寄せるシタバチの種も違い、交雑を避ける仕組みを持っているということですから、すごいですね。 さて、ヒポキルにとどまったシタバチの雄は、魅力的な香りの源を探すうち、滑りやすい表面になっているので、底に落ちてしまいます。 メソキルにある角状突起は、ハチが外に滑り落ちないためのガードレールの役目をし、エピキルの上には、かぶさるように、蕊柱が粘着性の花粉塊を用意しているので、 ハチが逃げ出すとき、身体にくっついてしまう仕組みです。(朝日植物百科より) ランの仲間は、とても進化しているようですが、巧みな知恵に驚かされます。 |