トウの中では小型。 花は芳香があるというのですが、温室では天井付近で咲くので、どんな匂いなのかはわかりません。 トウの仲間は300種ほどあるようで、それらを総称して、ラタンと言っています。 籐手芸を楽しむ方や、ラタンの家具をお持ちの方に、「籐ってどんなものでしょうか?」と尋ねると、大抵は、藤ヅル?山で木に絡まってるアケビの ようなもの?という返事が戻ります。 日本にはない植物なので、皆さんご存知ないようです。 トウは籐と書きます。藤ではありません。草がんむりではなく竹がんむりです。 でも、竹の仲間ではなく、ヤシの仲間です。それも、つる性のヤシです。 熱帯雨林の中で育つトウは、写真でもお分かりのように、茎や葉の表面に生えた鋭い刺、更に葉の先端部分は、鋭い逆さ刺になっていて、 それで周りの木を引っ掛けながらよじ登り、長いものでは200メートルを超えるものもあるそうです。 刺を削ぎ、オイル処理をして、皮と芯に分け、さらに細く加工して、編んだり曲げたりして、家具や工芸品を作ります。 花は、高い位置に付き、下から見上げるしかありません。春先(と言っても温室内でのことですが)新しく伸びた茎のトゲは、とても赤く華やかで、 そんなトゲの間から、地味な花序が伸びています。 最後の二枚の写真は、渥美半島の先端にある道の駅「クリスタルポルト」の中にある、ヤシの実博物館という小さいブースで、そこに展示してあったトウの葉の先端部分を撮ったものです。 槍(やり)の先のようですね。 |