ウツボカズラは約70種ぐらいあるといわれていますが、その他にも、人工交配で作出されたものがたくさんあります。
これも、そういうものの一つで、表示には、トランカータ交配種♀xビーチバリオエンシスグリーン♂となっていて、結構大型です。 捕虫袋の開口部の衿の色、なんともいえないきれいな赤です。 葉も茎もしっかりした毛で覆われています。この鉢植えは雄株です(雌雄異株)。 花を大きく拡大していますが、実際は、黄色い花粉を付けた部分は、3〜5ミリほどしかありません。 ネペンテスの仲間は、原産地と同じ条件の高温多湿が大好きです。 2011年の年末、この鉢植えのそばを通りかかって「?」、何か匂います。 ネペンテスの花は総状で、下の方から咲き上がってきます。花序の全体像をご覧頂けばお分かりのように、 今一番元気のいい花の色が少し違います。 そして、その元気な部分に冬の強い日差しが当たると、花弁状のものに蜜が出て強烈な香りを放ちます。 この部分、よく見ると、ぶつぶつしたものが見えますね。 これは,「花弁状のものの表皮細胞に埋め込まれた分泌細胞の塊で、雄蕊や雌蕊にある腺毛状突起と一緒に、 蜜を出したり香りを出したりしていると考えられている」と、総合研究大学院大学 福島健児先生に教えていただきました。 また、花弁状のものは、この場合花被片(花弁と萼片は、植物種によっては見分けがつきにくいことがあります。そういった場合は、 花弁に相当する部分(内花被片)と萼片に相当する部分(外花被片)をひとまとめにして花被片という呼び方をします)ということも、先生に教わりました。 さて、何の香り? 私には、茹であがったばかりの枝豆の甘い香りに思えました。そこで、通りかかったお客様にも確かめてもらいました。 皆さん、異口同音に、枝豆〜! どうぞ、皆様も一度確かめてみてくださいね。 虫媒花ということなのですが、せっかく匂いを発しても、温室の中には、あまり虫が居ませんから、受粉は無理のようですね。 |
元気いっぱいの株は、たくさん花を付けました。そして、珍しい現象を見せてくれました。 多分、自生地にあれば、こんなことはよくあること・・・と推察するのですが、つる性の茎に巻き込まれて、花序も回転してしまいました。 |